サブバッテリー用 長時間タイマー (自作)

バッテリーの過放電は御法度です。現在N-VANのサブバッテリーにつながっている主な車載機器の消費電流は、12V→100Vインバーター(無負荷時):1~2A、ENGEL冷蔵庫:平均2A、ルームランプ:0.2Aですが、切り忘れるとインバーターと冷蔵庫は2日、ルームランプは3週間ほどで過放電になります。以前インバーターの電源を切り忘れて過放電してしまい、再充電してもバッテリー容量が半減していて交換となりました。

過放電防止にはサブバッテリーの電圧を監視して電源出力を切る方法もあるのですが、インバーターで電子レンジ・電気ポットなどの使用時は(100A位流れる)正常バッテリーでも11V近くまで下がる事があります。しかし電圧監視のしきい値を11Vにすると軽負荷では過放電になるので、サブバッテリーからの電源出力を長時間タイマー回路でOFFするのがよいと思います。要は切り忘れ防止。

長時間タイマー 外観

長時間タイマー 回路図

長時間タイマーの外観と回路図です。長時間タイマーにはマイコンを使うが最適なのですが部品の価格・入手性と作りやすさを考えて1972年発売という「いにしえの」アナログIC 555で組んでみました。555を使った長時間タイマーは精度が低いのですが、今回の使い方ではOFF時間が1~2割ずれても問題ないでしょう。

MOSFETが2SJ334の場合で10A負荷時に3W位発熱するので使用条件に応じて放熱フィンを付けてください。

長時間タイマー タイミング

動作タイミングはこのようになります。ACC ONになるとサブバッテリーからの電源出力がONになりTRGが掛かりますが、ACCがRESにも接続されているのでACC ONの間タイマーは待機。ACC OFFになるとRESが解除されタイマーが起動し出力ONを保持、タイマー時間経過後に出力OFF。またSW1を押すと出力ONになりタイマー時間経過後出力OFF、出力ONの時にSW2を1秒ほど押すと出力OFF。

ACC OFF後の出力保持時間は実測でR1=1MΩ:45分、10MΩ:8.4時間、20MΩ:16.6時間でした。計算値(Tw=1.1RC)より1~2割長いですね。電解コンデンサーのリーク電流のせい?

この電源出力に冷蔵庫、ルームランプ、インバーターのコントロール端子などを接続しておけば、車中泊地に着いてエンジンを止めても夜通しで冷蔵庫、ルームランプ、USB充電器などが使えます。自宅に帰った時に切り忘れていても次の日にはOFFになります。

出力OFF時の消費電流(暗電流)実測値はバイポーラ版555で8.4mA、CMOS版555で0.3mA。8.4mAは少し大きめなのでCMOS版555推奨ですが、CMOS版555には品種によって電源電圧がMax15VのものとMax18Vのものがあります。下り坂のエンブレ時はACC電圧が15Vを超える事があるので車載で使う時は18V品を選んでください。今回使ったのは秋月で売っていた安価なNE555D(HTC Korea CMOS版18V品)です。※HTC KoreaはスマホのHTC(台湾)とは無関係のようです。

この回路は5Vでもそのまま動くのでUSB電源使ってUSB扇風機の寝る時タイマーや冬になったら5Vリレーで電気敷毛布タイマーとして使う予定。たまに切り忘れているので。※555は小型5Vリレーを直結で駆動できるので、単に電気敷毛布タイマーとして使うならば回路図のQ1から左側部分とR7から右側部分、D1,D2は不要です。リレーのコイルと並列に逆起防止ダイオード入れるのを忘れずに。